+ a piece of Works
幅広のチークの木の板から適当な場所を選んでジグソーで額縁サイズに切り出しました。
彫刻刀やルーター使って彫っていたところ、ポロっと穴が空きました。表面は綺麗でしたので全く見えず、あ、と一瞬焦りました。高くしたいところに穴が大きくあったらやり直しになるかもしれないからです。
ですがですが、驚くほど本当にちょうど良いところにすごくいい雰囲気を作ってくれたのです!
彫っていた溝に沿っての、虫食いか何かの縦長の穴……写真には写っていませんがもう一箇所、右下にも小さく……
その額縁の仕上げはステインをしっかり塗るというよりは、ガサガサの木の風合い残しステインも軽くして、枯れ木のイメージを考えて作っていましたので、その穴はまさにイメージ通りに額縁の雰囲気を盛り上げてくれたのです。
あと少し切り出しの時右に、左にずれていたら…………でもそれもいい感じだったのかもしれないですね。
チークは硬いところとすごく柔らかく崩れやすいところの差が大きい木です。削っていると高さのあるところが崩れてしまう事があります。
最初はまずい!と思いました。でも、柔らかいところは時が経つと真っ先に欠けてしまうんだな〜〜と思った時、そのままにしておくことにしたのです。
きっとなんとか綺麗に保って作ってもそこはいつか真っ先に崩れてしまうんだから、経年劣化の先取り、と考えることにしました。
それでいいとした時、仕上がりはチカラの抜けたナチュラルないい雰囲気になりました。
時を経て劣化した風合いや使い込んでできた傷、それをまた綺麗にしてまた時がたって…………
そんな風合いが大好きです。
気をつけて他のは綺麗にしていたのに、個展で展示していた、ずっと家に飾っていた額縁のお掃除うっかりしていて、埃がついていました。
それが売れた時、すぐ綺麗にします💦と言ったら、いや、そのままにしてください、そのままがいいんです、と。
家で気付いていたらきっとお掃除していました。
その言葉になるほど、埃も、と。
額縁屋としてはアンティークショップと違って、本物の埃は許されることでは ないのですが、
でもその額縁に関しては、チョピリ、いえ、すごく、嬉しい一言でした。
[Works]の「木目のある額縁」にアップしています