+ a piece of Works
2019年6月に同じタイトルでアップした「マリア様の絵」
木の額縁の裏側が釘で固定してあったアンティークの絵。開けたら何か発見がないかなと期待していたのですがやっと開ける日が来ました。
後ろの板を破壊しなくてはいけないくらい釘でしっかり固定されていましたが、なんとか外すことができました。
結果、秘密のメモ!なんていうのもなく( ちょっと残念;;) 額装されていたためかうしろはすごくきれいでした。
1934年にイタリアでプリントされたと印刷してあります。
額縁は個展に向け新しく製作いたしました。
今ではきっと額縁には使われない3ミリ以上ある分厚いガラスはアクリルにはない重みがいい感じです。少し擦れ傷がありますがそのまま使うことにしました。
1934年は日本では昭和9年。
どんな時代だったんだろうと調べてみたら、身近な話では忠犬ハチ公像が建立した年というのが目を引きました。
初めて知りましたが、除幕式にはハチ公も参列したそう。
亡くなったご主人様を待って毎日毎日10年間も渋谷駅で待っていたお話は、今また聞いても胸が痛むと同時に感動してしまいます。
ハチ公はその翌年の10年に亡くなったそうですが、晩年はきっと可愛がられて幸せだったことでしょうね♡
除幕式では、何を思っていたのか………なんかたくさん集まって賑やかだな〜〜でもいろんな人が撫でてくれて嬉しいな!くらいのことだったのではないでしょうか。
「10年」という重みは、心にからだにすり込まれたとしても、ハチ公くんは毎日やりたいことやるべきことをやっていただけだったのでしょうから。
でも、待っても現れない帰り道はどんな気持ちだったのでしょうか;;;
「晩年のハチ公」ウィキペディアより引用
マリア様からハチ公へと、日記を書く前には思わなかった結末。
新しい額縁はミスマッチを楽しんでいただけたらと思います。
先日お知らせでお伝えしたWAMの個展ハガキの右下の作品は鉄のようですが鉄ではあリません。
「深い海底に沈んだ昔の船に飾られていた鉄の飾り….発見された時は錆びてボロボロ」みたいなイメージで作ってみました。
樹脂の金属補修用が硬くなるようなので、メーカーにも聞いてみましたら、金属のように硬くなるとのことだったので、石膏を削って型取りすることにしました。
でもいざ固まって石膏がポロっと取れるかと思ったら、しっかりくっついてしまっていました;;;
つかないように色々対策していたのですが……チャレンジに失敗はつきもの。
今度はどう作ったら良いかなど、後々役に立つこともあるものです。
いざ石膏を剥がそうとしたら、壊れないと思っていたのにかたちが細すぎたようでチカラを入れれば欠けてしまいます。
そこで程よく欠けさせるために、壊れすぎないようにひたすらコツコツと石膏を剥がしていくことに。
コツコツ…
コツコツ…
時折、ポロッと大きく剥がれ
また
コツコツ…
コツコツ…
あれ〜〜なんだか化石の発掘しているみたい ;;;
きれいに石膏からはずせると思っていた最初の計画では、剥がした後に樹脂を混ぜた土をまぶして鉄錆で膨らんだイメージにしようと思っていたのですが、結果、偶然に欠けてしまったり、わざとかけさせたりしながら、土を使わなくても石膏もほどよく残せて、最後に鉄錆塗装で完成となりました。
下の写真は「発掘」前の裏側。 表は石膏で覆われて真っ白です。
化石発掘キットというのが売っているようです。ほどよく剥がれるので、その体験をしたい方にはおすすめ^ ^
普通、額縁製作で使われる言葉は「彫る」ですが、この額縁は「掘る」でした。