+ a piece of Works
アンティークのお店やリサイクルショップを見るのが大好きで、多分一番嬉しくワクワクしてしまう時間です。
2駅先にアンティークのお店があってたまに行ってみるのですが、以前、使えないけれど面白い時計が安くてびっくりして買ってしまったり、時折嬉しい出会いがあります。
上の写真の真鍮はアンティークではないと思いますが、「聖水入れ」とお店の方は言っていて、大好きな真鍮と「聖水入れ」という言葉にも惹かれました。
今は我が家の壁に、若い頃ギリシャ旅行の折に買ったイコン画の複製と一緒に飾っています。
また、家には数点テンペラ画の模写がありますが、テンペラ画の技法はとても古くそのため模写は昔の宗教画が多く、家にいらした方にキリスト教と思われてもおかしくはないくらい。
聖水入れの下のポット部分は、4月10日の創作日記でご紹介した白い漆喰のフラワーポットの型取りに使いました。
そして上の部分ですが、数年前の絵画教室のグループ展に額縁の技法をテーマに4点をセットにして出品し、そのひとつの「型取り」として使いました。
型取りするのはシリコンだったり、型を取った後にお湯に入れてまた使える便利なのも出ていますが、型取りをしたらそこに石膏を流し入れ、いくつか同じ形のを作り装飾に使います。
こうした「オーナメント」を額縁に貼り付けて、金箔だったり、銀箔だったり、色々な仕上げをするのですが、4つの技法のひとつとして飾るので、可愛い天使もいてお花もあるので、テンペラで着色することにしました。
後ろの額縁は土を使っています。
十字架の部分は金箔ですが、アンティーク感を出すためにピカピカにはしませんでした。もう少し光るところは光っても良いかな、と数年前の作品ですので今改めて思うところも…。
設定は、「廃墟となってしまった教会跡に落ちていた宝物」 でしょうか。
欠けてしまっていても、かえって長い歴史を感じ、また、どんな形だったんだろうかと想像することにロマンがあるのでしょうね。
こうやって書いていて改めて思いました (><)
十字架の部分、もう少し欠けちゃっててもよかったのかも ;;; と
4月16日の創作日記「チャレンジ」でご紹介させていただいた和の額縁の追記になります。
あれから追加で知人から頼まれたのが色紙への加筆でした。
知人のお母様が書かれた短歌は「母の日記」と題して 一冊の本になりました。
「母」の娘さんご夫婦とお孫さんが、ノートに書き留められた短歌を一冊の本にしようと編集を自分たちでして自費出版したのですが、ご高齢のお母様は大変大変喜ばれ、完成した本を友人知人に送りました。
突然一冊の本を送られた友人知人は、短歌を書いていることを知らなかったようで大変喜んでくださって、感動した!とたくさんお手紙をいただいたそうです。
短歌は初孫が生まれてから書き始められたそうですが、お孫さんのこと以外に3人の娘の事、そして長女だったお母様が終戦直後20歳の時、産まれたばかりの弟を含めた5人の妹弟を残し亡くなってしまった母への思いとその後の苦労のお話、その幼い弟を数ヶ月で亡くされたこと、たくさんいた友人との楽しいキラキラしたひと時、夫の看病と死、娘の病など、一冊のファイルにずっしりとした重さを感じるくらいたくさんの短歌が書かれていたそうです。
その「母の日記」を知人から貰い受けた方が趣味で書道をされていて、日記から三つの短歌を選んで短冊に書いてくださったのをお礼にいただいたとのことで、WAMに額装してほしいと頼まれました。
その後、絵を描き入れてほしいとなり、大変緊張しながら描き込んだのがブルーの短冊の絵です。
知人からは鳥の絵が良いかもしれないとのアイデアをいただきました。
飛んでいる鳥と最初思ったのですが、短歌の内容から飛んでいる鳥でなく、孫にもらった枕に寝ながら幸せを感じている情景が浮かび、おぼろ月夜の枝に止まった鳥の絵にしました。
夜露に濡れたイメージの下草も入れた方がより夜のしっとりしたイメージが出そうと入れてみました。
そのままの何もない色紙よりすごく良いととても喜んでくださって、絵は得意でなく下書きもできないので緊張のチャレンジでしたがホッといたしました♡
お母様はその自費出版後に亡くなりましたが、知人は親孝行ができて良かった!との事。今回の額装も短歌から伝わってきますお孫さんへの愛情を感じながらの創作でした。
( http://stealthswitch.blog.fc2.com/blog-entry-12.html より画像を引用させていただきました )
最近創作のパターンもこの感じが良いかも、と、だいたい決まってきました。
額縁の依頼のお話があった時、メールの作品の画像、もしくは作品が送られて来た時にすぐにだいたいのデザインや方向性を考えて提案させていただきます。
なぜなら、初めて作品と対面させていただいた時のフレッシュな印象と、期待を込めてオーダ額縁の依頼を決心されてメールや作品を送ってくださる依頼主様の気持ちが熱いうちに、色々話し合った方が良いのができる気がするのです。
作品を受け取りましても、今抱えているのが終わったら、となるとあとでもう一回作品と向き合い、気持ちをそこに持っていくことになるからフレッシュではなくなり、依頼主様にも待っていただくようになります。
何もなく待っていただくよりも、だいたい決まって完成するのを待っていただく方が楽しい時間なのではないでしょうか。
また、その間にももっと良いアイデアが出ることもあります。デザインが決まっても最後の最後まで変更可能です。
今回も作品を送っていただいてからご希望のイメージもありましたのでメールでやりとりさせていただいて、すぐに方向が決まりました。あとは完成に近い正確なラフを送らせていただくだけです。
その製作の段階で、今回の作品は少し裏側から手を加える必要を感じて、絵に支障がないように画材についてお聞きしました。
水性のペンでしたら気をつけなくてはいけないかと思ったのですが大丈夫でした。
ですが、どんな特徴のあるペンだろうか、と、ネットで調べてみましたら、面白い実験をされた方のホームページを見つけました。
「各メーカーのペンで字を書いて一時間乾燥させて、一時間水に浸けて滲み具合を比較する」という実験です。( 実際は寝てしまって一晩乾燥させてしまったそうですが(^^)
WAMが気に入って使っているボールペンもありました♡
依頼主様のは全く問題なく滲まず安心しましたが、おかげさまで面白い実験を見つけることができました。
引用させていただいた実験結果とコメントを書かれたホームページをアップしましたので、ご興味ある方はご覧になってみてくださいね!
どちらかといえば金属や漆喰などや「創作額縁」のイメージが強いのか、和の額縁の注文はなく、なかなか作る機会も持てないのですが、知人から頼まれて3点作ることになりました。そのうちの一点が今回作りました短歌の書かれた短冊三枚の額縁です。
残りはこれから作ります。
四角い白い溝は短冊の色紙の裏に貼り付けた一回り小さな厚紙がすっぽり入るようにして、位置決めに苦労しないで入れ替えも楽にできるようにしました。
「和」でも昨年は男前インテリアに似合いそうなアルミの丸窓の額縁を買って墨の絵を入れてくださった作家様もいらっしゃいましたし、金魚の絵に真鍮の額縁も似合いそうと思ったこともあるので、必ずしも「和」に「和」でなくても良いと思っています。
ですが今回はご高齢の方ですし和の額縁も作ってみたかったので、いかにも「和」のデザインにしてみました。
3枚の短冊の色紙はそれぞれ色が入っているので、わびさびを出したかったけれど難しいかなと思っていたのですが、完成してみたら派手にもならず良い感じに収まってホッといたしました。
もともと注文の額縁にも製作方法をチャレンジするところのあるWAMですが、失敗は許されないですので、アイデアの引き出しに入れておいたチャレンジによって得た発見やコツや、素材や材料の特徴のリストを裏書きにして大丈夫だと判断して製作しています。
ですが、時々は注文の額縁を作るだけでなく、うんと自由に創って失敗も含めた新しい発見もしていかなければ、と実感しました。
今回の短冊の額のフレームは、木の色そのままのウォルナットを使い、
汚れ防止のためにミツロウワックスで保護しました。
四隅に彫刻も入れ、ちょうどいい色で、わびさびの雰囲気もでた仕上がりになったと思います。
土・漆喰・膠・そのままの木の色・蜜蝋ワックス …… 優しい素材に溢れた額縁が癒しとなれば幸いです。
ドライフラワーを飾るための作品を作ってみようと思って、2014年の「土×Spirit」の二人展の時に作りましたのが上の写真の作品です。
色々な素材で自由に作るWAMの作品は、手の込んだ技法できっちり作られたり、簡単にはマネできないすごい技術で作られた額縁や工芸品とは違って、手間をかけたとしても手作り感満載で「作品」でなく「雑貨」と思われる方がいてもおかしくないと思います。
雑貨でもいい感じのがたくさん出ていて、この感じでこの価格か〜〜とステキな額縁の安い価格に虚しく思う時もありますが、そんな時は価値のある作品を作るために出来ること、WAMにしかできない事をしていかなくてはいけないな〜〜と深く深く思うのです。
昨年の個展の時に、石膏だけで作った額縁を展示しましたが、石膏でなくても良いのかも、と、たまたま通りがかりで展示を観にいらした方に言いましたら、「いえ、石膏だから良いんです!」とチカラ強く言ってくださった言葉が印象的でした。
「素材の醸し出す力」という事なのでしょう。
嬉しい言葉でした。
上の白い作品はシナベニヤに砂の混じったコンクリートを塗装して、そこに我が家にある真鍮の聖水入れのポット部分を石膏で型取りしてつけて漆喰で完成させました。小さな下の模様も石膏で型取りして貼り付けました。
そして下の作品は先程お話ししました、全て石膏でできた作品です。木を一切使わず石膏を木枠を作って型取りして作った額で、厚さは6〜8ミリくらいですがずっしりとした重みがあります。
その型取りした石膏に、土と漆喰を混ぜた自然のグレー色をのせて完成させました。
飾ったのは雑貨屋さんで安い価格で買った「マグノリア」というお花のプレート。やっぱり雑貨もステキなのがたくさんあります♡
ぴったりだと思い額装してみました。
今、気に入って家に飾っています。
どういう形や出来であっても、心が動かされる作品を作りたいとおもっています。
心動く作品とはどんなのだろうかと考えますが、自分にできることは、これで完成で良い、と思う作品を作ることだけ。
その結果、喜んでくださったら何よりです。
これで良い、と決める自分の基準を信じなければやっていけない…………
そしてその基準も更新していかなければと思っています。
そんな試行錯誤しながら、何かを感じてもらえる作品を生み出していこうと思う創作の日々です。
先日、知人に誘われて東京ステーションギャラリーにいってまいりました。
「アルヴァ・アアルト もう一つの自然」
フィンランドの建築家で、レンガやタイル、家具や照明、ガラス器などのデザインもしていて、現在公共の施設で当たり前のように使われていたりレトロなのがお好きな方の家にありそうな照明や椅子などが展示されていました。
額縁の世界に惹かれて入りましたのも、絵画よりインテリア好きだからなのかもしれません。インテリアの本は家具から飾ってあるものまで隅々まで見てしまうくらい大好きなんです。
今回の展示で目にとまったのが建築のラフデザインなどを描いた紙でした。
薄紙に描かれていたのですが、その薄紙は随分前に絵を描いていた時に使ったことがあってとっても便利で気に入っていたのですがすっかり忘れていました。
トレースをする時のトレーシングペーパーと言えば無色の透ける紙が主流ですが、どうも好きになれないのです。
描き直しもしたいし雰囲気を掴むために描きこみたいのもあり鉛筆で描いているのですが、鉛筆で描くと擦れて消えてしまったり消しゴムも使いづらく描きこみにも限界があります。
最近トレペを使う機会があり、ちょうどなくなってしまったので、買わなくてはと思いながら、トレペか〜〜……と思っていたところの今回の再会でした。
早速アマゾンで探してみました。
オストリッチの「イエロートレースペーパー」のようです。
さすが!今は便利な世の中です。翌日は手元に届きました。
残念なのはイエローと名前がついていますが、黄色すぎること、でしょうか。展示のペーパーは品のいいアイボリーでしたから。(ちなみに以前つかっていたのはオレンジでした。アイボリー探さなくては;;;)
ですが、この紙の透け感はすごく良くて、先に載せましたインテリアの本の写真も透けてはっきりと見えるのがお分かりと思います。
表面はふつうのトレペと似ているのですが、鉛筆での感触は程よくザラザラしているので強弱の線もしっかり描くことができ、結構丈夫で消しゴムを使っても破けづらいのは嬉しいことです。展示の作品も全て鉛筆でしたので、鉛筆に最適なのでしょう。
紙の厚さは1平方メートルの重さで表されますが、26g / ㎡ なので、すごく薄いけれど問題なく丈夫なのがすごいです。
「ザラザラ」が描く時に心地いいんです。
ロールの大きさが色々ありますので、選べるのも嬉しいこと。
誘われて行ってよかったーー!と思えるくらいグッドタイミングな再開でした。
まだ、デザインこれから練らなくては…………💧