+ a piece of Works
前回、楽譜の写真をご紹介させていただきましたが、先日無事納品させていただくことができました。
楽譜のサイズは 280 × 370 ㎜
額縁の外寸は 546 × 432 ㎜ 結構大きい額縁です。
「チリのアンティークの楽譜」の額縁は、ご注文者様がはっきりとしたイメージがおありになって、お聞きした時にぴったりだと思いましたのでそのまま作らせていただきましたが、WAMの「Works」より選んでくださったデザインを黒漆喰に変えて作っていただきたいとのこと。
楽譜が強くインパクトがあり、黒い色がしっかりしていますので、黒漆喰でも負けないと思いました。
ですが、なるたけ厚みを少なくして重くないように気をつけることと
アンティークらしいシワや揺らいだ味をそのまま活かすため、楽譜を浮かせて額装しました。
楽譜のコピーを置いて、フレームのバランスを目で見て決めます。
黒い紙の上でフレームの外寸法を決める白い紙を動かして全体のバランスを決めることにしました。
普通、額縁は天地と左右を同じ幅のフレームを45度にカットしてできるのですが、時折、天地と左右の幅が同じことに違和感を覚えることがあり、変えることがあります。
以前、アルミで作りましたのは ( 9月の創作日記「モノクロームの世界展」の北野様の額縁 ) 横長の額装でしたが、左右のフレームの幅を広くした方が心地よい気がして変えてみましたが、今回は天地を幅広くした方が黒の配分がちょうどよい気がしたのです。
左側は45度カットの天地左右が同じ幅のフレーム。一般はこれが主流です。
右側は天地を少し幅広く変更。
左はなんだか甘すぎるのと、黒が重い気がしました。
天地の幅を少し広く変えてみたらちょっとキリリとして、見ていて飽きない感じがしたのでこの幅で作らせて頂くことにしました。
以前のアルミの額縁は左右広くしたい、今回は天地広くしたい、と感じるイメージについて考えてみましたが、絵が持っている流れの方向を強調したいのかもしれません。
また、「楽譜」から「神聖」なイメージも感じます。
教会とか十字架とか、神殿のイメージは縦長を連想させるので、天地を強調した縦長が「楽譜」の世界とマッチして心地よかったのかもしれません。
漆喰のコテ跡も残してあります。
汚れ防止のために仕上げには自然素材のミツロウワックスを使っていますので、優しいツヤがあります。
依頼主様の家での心地よいコーナーになりますように……