+ a piece of Works
どちらかといえば金属や漆喰などや「創作額縁」のイメージが強いのか、和の額縁の注文はなく、なかなか作る機会も持てないのですが、知人から頼まれて3点作ることになりました。そのうちの一点が今回作りました短歌の書かれた短冊三枚の額縁です。
残りはこれから作ります。
四角い白い溝は短冊の色紙の裏に貼り付けた一回り小さな厚紙がすっぽり入るようにして、位置決めに苦労しないで入れ替えも楽にできるようにしました。
「和」でも昨年は男前インテリアに似合いそうなアルミの丸窓の額縁を買って墨の絵を入れてくださった作家様もいらっしゃいましたし、金魚の絵に真鍮の額縁も似合いそうと思ったこともあるので、必ずしも「和」に「和」でなくても良いと思っています。
ですが今回はご高齢の方ですし和の額縁も作ってみたかったので、いかにも「和」のデザインにしてみました。
3枚の短冊の色紙はそれぞれ色が入っているので、わびさびを出したかったけれど難しいかなと思っていたのですが、完成してみたら派手にもならず良い感じに収まってホッといたしました。
もともと注文の額縁にも製作方法をチャレンジするところのあるWAMですが、失敗は許されないですので、アイデアの引き出しに入れておいたチャレンジによって得た発見やコツや、素材や材料の特徴のリストを裏書きにして大丈夫だと判断して製作しています。
ですが、時々は注文の額縁を作るだけでなく、うんと自由に創って失敗も含めた新しい発見もしていかなければ、と実感しました。
今回の短冊の額のフレームは、木の色そのままのウォルナットを使い、
汚れ防止のためにミツロウワックスで保護しました。
四隅に彫刻も入れ、ちょうどいい色で、わびさびの雰囲気もでた仕上がりになったと思います。
土・漆喰・膠・そのままの木の色・蜜蝋ワックス …… 優しい素材に溢れた額縁が癒しとなれば幸いです。