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ご依頼いただいた作品は「青の回廊」という題名でした。
お城をイメージした額縁も良いかもとのご提案もあり上のラフを考え、全部で5案のラフを出させていただきました。
結果、一番のおすすめと書いた上のラフを選んでくださって嬉しかったです♡
「青の回廊」 永吉香里展 -夢想の為の装置-
個展が終了してからのアップになってしまいましたが、作品から額縁に回廊が続くイメージで完成させました。
個性的な型ではありますが、あまり強くならないよう段差もほんの少しつけただけですので、他の作品に入れ替えることもできますとお伝えしました。
窓周りの金属も外すこともできます。
簡単なラフからもう一度見直して考えてみるのですが、一番最初に描いたラフが良いことが多いという…
今回も一番最初の鉛筆ラフ案に決定でした。
木材はスプルース材。
耐水性も比較的高いとのことでまな板や桶に使われていて、出来が良いのはピアノの饗材やギターやバイオリンにも使われているそうです。
縦の木目のラインが階段の直線ラインに似合うと思い使うことにしました。
一度塗装してヤスリをかけた状態から
ステイン塗装していきました。
最後は作家様のもう少し濃いめにというアドバイスで完成させた「回廊の額縁」
お城のようにも見えますね!
他の案のも一点製作してみました。
日本画の画材で売っている白土は大好きな色。
樹脂膠と混ぜる時の濃度はまだ試行錯誤中ではありますが、ちょっぴり扱えるようになってきたかなぁと思えるこの頃です。
「トワイライト」
「日の出前や日没後の薄明かり、おぼろげな光、黄昏を意味している」
「 特に黄昏、太陽の輝く時間帯の終わりを意味することが多いことから、比喩として終末期や衰退、人生の全盛期の終了を表す場合もある」
「逆に、日の出前の意味もあることから黎明期、これから新しいことが始まる時期であることも意味する」
「トワイライトゾーン」
「昼でも夜でもない、日本でのいわゆる逢魔時である黄昏時には、魔物に遭遇する、禍が起こるなど、怪異の起こる時間といわれる。トワイライトゾーンとは、そのような時間や場所などを表す言葉」
私の「トワイライト」は
日没後のわずかに残ったひかりが
少しづつ消えていく……
それを惜しむ時間……
今までで一番縦横の長さが違う大きな額縁を製作させていただきました。
ポスター額縁の依頼は初めてでしたが、以前、古典額縁他の習い事をしている「ラピス」で写真額縁の製作の経験があったので、湿気を入れないなど気をつけて製作しました。
すごい横長なのでオーソドックスな比率よりも湿気の影響を受けそうで、ポスターの下には湿気を調整してくれる紙を入れて、ポスターとアクリルの間を開けるために濃茶にステイン塗装した木材を挟み込み、湿気を入れないようテープでしっかり封印!
封印前にはハズキのメガネをかけて、息を止めるようにホコリチェック!
後で見つけてやり直しの残念な思いをしないように;;;
依頼主さまは海外赴任先でこのポスターを購入されたそうですが、その後10年間丸めて保管していらしたとのこと。
ご縁あって今回の額装をお引き受けすることになりました。
布を使いたいというご希望があったので、ポスターに似合うようにアクセントとして刃先に布を使い、周囲のフレームの型とアクセントの布の茶色いステイン塗装の色合いは見本を作って選んでいただきました。
使った木材はナラ材。
家の近くに大きな倉庫でアンティーク家具を修理やリメイクして販売している家具さんがあるのですが、そのお店の方がナラを買いに来ていると、材木屋さんが言っていました。
確かに、きれいな木目がはっきりと出ているナラのアンティーク家具は多いかもと思いました。
残念なことにナラ材は不足しているそうです。
今回は製材の時のギザギザをアクセントに使ったのですが、手持ちのナラのギザギザはフレームの必要寸法ギリギリでしたので余計に切断に失敗してはいけない;;; と緊張しての製作となりました。
後ろは金具を使わない構造にして、紐は左右だけなら横長すぎて伸びてしまうので、一度ストッパーに引っかけて長さを短くしました。
長いポスターならではの思考錯誤もありましたが、良い経験となりました♡
「家にピッタリでした!とっても気に入っています!」
とあたたかなメッセージをいただき、裏打ちのことなど未経験も多く感じた製作となりましたが無事に納品することができてホッといたしました。
これからご家族の思い出のポスターを楽しまれる事と思いますが、そのお手伝いができて幸いでした✨