+ News + a piece of Works
〈星が溶けてなくなる夜に〉二人展作品
title 「幻想曲」
H 365 × W 184 × D20
「この作品は、額縁を先に作っていただき、それに合わせて描いた作品です。
西洋のアンティーク風な、ベージュグレーの優しい風合いの額縁だったので、あえて作品も同系色の落ち着いたトーンの作品にまとめてみました。」
「 作品はパリのインスピレーションによって描かれた街並みに佇む少女を描いています。
両手に抱えた花束から、少女のドレスの模様のように花びらが散っています。」
marie.gallery より
アンティークの鏡のはいった額縁を参考にしました。
上の部分が個性的な形なので絵には不向きかな、とも思いましたが、ただの丸いドーム型ではなくかわいらしい感じもしたので、さらに作家様の描く少女の世界観に似合うように模様も入れてみました。
出来上がった作品は、作家様のコメントの通りに同系色の作品が額縁にマッチして、シックな大人っぽい作品になりましたが、花びらの散った青いドレスがとても印象的でかわいらしさと華やかさもすごくある作品だと思います♡
木目をアクセントにしたいと思い、木目のはっきりした「槐(えんじゅ)」を使いました。
もっと白っぽく仕上げてほんのり木目が見えるイメージの予定でしたが、ステインのチークを下地にしてステインのホワイトを一回塗装したらとてもかわいらしい色になったので、そこで完成としました。
アクセントに「パスティーリャ技法(Pastiglia)」という盛り上げ模様にしたのですが、「盛り上げ模様にステインを塗る」という初めての試みで、薄いピンクの下地だったからか、ホワイトの塗装で古びた良い感じになって、思わぬ嬉しい完成となりました。
槐は色の濃い木です。
他の木に同じ手順で塗装をしてもまた違った色になると思いますので、一期一会で楽しみたいと思います。
〈星が溶けてなくなる夜に〉二人展作品
title 「銀色サーカス」
H242 × W194 × D57
「気難しい少年は、本やトランプのひとり遊びが大好きで、サーカスの片隅で、キツネとひっそり暮らしています。サーカスの華やかなざわめきから遠い、テントの片隅で」
marie.gallery より
夢のような楽しい響きと同時に根無し草のような寂しさも感じる「サーカス」という世界……
そこで暮らす少年とキツネの、星空の下のテントの中で過ごす静かな夜を感じることができる作品です。
この額縁は絶対売れないだろうなぁ〜と制作しながら思い、違うデザインにした方が良いのかな〜と迷いつつ…
でももし買ってくださる方がいなくても、一点だけ遊び心のある額縁を展示すれば楽しんでいただけるかな♡との結論になり完成させた立体の額縁です。
けれど予想に反して、二人展で真っ先に赤いシールが貼られたコラボ作品となりました。
とてもびっくりしました。
「銀色サーカス」にはストライプのテントの屋根が描かれていて強さのある作品だったので、強いデザインの額装でも負けないだろうと思いました。
また、作品のイメージから奥行きのある額縁にして後ろを暗い色にして 覗き込むような額装をイメージしました。
制作しながら上に小さなライトを入れて作品を照らしたらもっと世界観が強まるかもと思いましたが、アクリルと絵の隙間が無さすぎて却下でした。
いつかそんな作品も作ってみたいと思います。
濃茶色のアクリルガッシュに日本画用に売られている土を混ぜたのを一番最初に塗装しました。
厚みを出しエッジを柔らかなラインにするためでした。
最終段階でヤスリをかけた時に微妙な凹凸が出て味わいのある塗装になったと思います。
この作品だからできた額縁です。
タイトルは 「立体のストーリーのある額縁」
二人展で唯一ストーリーのある額縁となりました。