+ a piece of Works
作家様とのメールのやりとりで、フッと浮かんで送らせていただいた言葉がありました。
「 色々な額縁作って、個性のあるのかないのかわからないWAMですね。でもそれが私の個性でしょうか。自分の中にあるのを表現して感動させる作家さんとは明らかに違うと思うこの頃です。
作品に居心地の良い家を作ってあげる……そんなことでしょうね(^^) 」
額縁作家さんです、とご紹介いただくときもあり「作家」という言葉をどう捉えるか、に翻弄されてしまったこの頃でした。
一見自由に作っているように見えるけれど、いろんな素材を考え相手(作品)にいかに合わせるかに100パーセント近くを費やして作っていて、そこに自分はちゃんと居るのだろうか……とか、作家とは、とか……
額縁製作している方は大概自分のカラー(個性)をもっていらっしゃいますから、色々な額縁で埋め尽くされた個展会場を観たら流されていると思われても致し方ない事ですが、「そんなに色々なのを作っていると自分がなくなってしまいますよ」とアドバイスいただいたこともあります。
そんな事を思い出してあれこれ考え込んでしまっていたときの「作品に居心地の良い家」という表現。
思わず、本物の家の設計を仕事にしている娘に「Nちゃんとおんなじ仕事してた〜」とメールしたのですが、「すごい!おもしろいお話だね!アーティストのようで実はデザイナーなんだね◎」との返信。
「アーティストのようで実はデザイナー」という言葉にハッとして、なんだかすごくしっくりきたんです。
デザイナーは相手ありきで成り立つ職種ですので、作品とがっちり向き合ってどんな素材が似合うか、から考えるところはまさにデザイナーだな〜〜と感じました。
特にWAMは色々手がけるので何が出てくるかわからない、掴めないデザイナーと言ったところでしょうか。それが不安で依頼に躊躇される方もきっといらっしゃる事と思います。 ( 意に添わなければ額縁製作実行前にキャンセルできますのでご安心くださいませ(^^) )
一番最初の発表の場は、2014年に漆喰や土を使った山手111番館での二人展でしたが、その時もどんな額縁を作りたいかというより、友人の絵に何が一番似合うかと考えた末の「漆喰と土」、そして「葦」などの自然素材を使った額縁でした。
それから一貫して変わらないのは、その絵にはどんな額縁が似合うか、ご依頼者様はどんなインテリアがお好きだろうかも気になり、その方の好みも大切にして作ってきたことです。
もっと前、額縁に興味持って作り始めた頃は相手も何も考えず自由に作っていました。
昨年の個展は「銀座」という場所のイメージにちょっと真面目になってしまいました。
その後は作品ありきで何が合うか考えることが続きましたので、ちょっと羽を伸ばしたくなったのでしょうね!
けれど作品があることで何が一番似合うかと考える事と、依頼主様とのメールのやりとりで、思わなかった額縁が完成する事が結構あり、私ひとりでは出来なかった事も引き出してもらっていると実感しています。
相手関係なく自分の内面にあるものを表現して作品にするのが「作家・芸術家・アーティスト」と呼ばれる個性ある人たちですが、「デザイナー」も条件があるものの出来上がった作品にはそれぞれの個性があり、絵がなくても成り立つステキな額縁もありますので、どこかのくくりに収める事も必要ないことでしょうね。
そんなウロウロしていた時にちょうど一点の額縁が完成しました。作品にぴったりで、箱開けた時きっと喜んでくださるだろうなー♡!と、とっても嬉しくてワクワク!
この喜びは何にも代え難く、これがあればそれで十分なのかも、と思えました。
相手の事を考えて作っても「自分」らしさは出てくると思います。
ただ一つ、自分に違和感ないもの、自分が良いと思えるのを作る事をとっても大事にしています。
相手の事を考えて生きる事も、時にはわがままに自由にする事も自分で選んだ自分の人生。
それを額縁創作に当てはめれば良いんだな〜〜という結論になりました♡
そういえば、横尾忠則はニューヨークでピカソ展を観て「イラストレーター」から「画家」になることを決心。
「画家宣言」をしたそうです。
されど肩書き、ですね!
門の横にあったオリーブの木が枯れてしまいました。
15年頑張ってくれましたが、冬には日陰になるからか、実も一個も収穫できないまま。
オリーブの木には一年中お日様のご馳走が必要だったのか;;; 栄養不足だったのか ;;;
でもしばらくグリーンを楽しませてくれました。
昨年の冬の剪定で下から切ってもらい、ずっと庭の隅っこに立てかけてありましたが、いよいよ家に入れておかなくちゃ💦と先日デッキにおきました。
なぜならもう一回活躍してもらう予定だから♡
我が家にはパワフルなテーブルソーも糸鋸もあります!
太めの部分は小さなまな板にできるし、細長い食器もできるかも♡細いところはバターナイフやスプーンができるかも♡ などと、眺めて色々構想が浮かびます。
ですが、ふと思い立ちこの日記を書き始めた途中でネットで調べてみましたら、板状に切り出してから3年〜7年も自然の中で乾燥させて加工されるのだとか💦
簡単に考えていました(.. ;)
いつか何か完成したら、創作日記にアップしたいと思います🌿と先に書いていましたが、3年後のアップとなるかもしれません。
もしかしたらオリーブの木の額縁もできるかもしれませんね。
まずは板状にしておかなくっちゃ💦
「日だまりの時間」 西田 陽子 作品サイズ 98×82
銅版画作家の西田陽子さんの個展が3月に西荻窪でありましたが、その時に作品を買われたお客様をご紹介くださって、今回の額縁製作となりました。ありがたく、嬉しいことでした♡
銅版画作品は2点で、一つは白鳥が二匹の猫ちゃんを大きな羽で包んでいる「友情」や「母性」を感じるあたたかな作品。もう一つは、大きな木を住処としている猫ちゃんというか猫ちゃんの妖精たち、といったほうがふさわしい楽しい作品です。
白鳥の銅版画作品は、羽で包む行為が「母性」に近い感じがして「聖母」を、そして「白鳥」という言葉からも神聖なイメージがして、そういう額縁にしてみたいと思いました。
依頼主さまから、白鳥の作品は木がよいとのご希望がありましたので、色々な木の参考画像を送って、お好みのイメージを把握してデザインし製作に取り掛かりました。
硬い木と柔らかい木どちらの仕上げがお好きか聞きましたら柔らかい木という事でレッドシダーにしたのですが、軽くて柔らかいですので完成した時のイメージが軽く安っぽくならないようにしっかり厚みを持たせて額縁の存在感を大事にしました。
味付けしやすい木ですが、いざ彫ってみたら上の彫刻の部分が木が柔らかすぎてイメージ通りの彫りができなくて、うっかりでした。ですが柔らかい木がご希望でしたので、どうしようか……色々考えてみました。
結局、木の切り出しからもう一度作り直し、彫刻部分だけ木でなく樹脂系の素材を使用してみることにしました。成形して固まった後に彫刻でき着色もできる素材です。
平らな木を彫って浮き彫りする予定を変更してその樹脂を上に貼ることにしたのですが、「怪我の巧妙」とはこのことか、と思うくらいいい感じに完成でき、ほんとうに嬉しくホッとしました。
アイボリー色の樹脂は木のようには塗料を吸わなくて白っぽくなったのですが、ステイン塗装の色が薄くのったその白さがかえって目立って神聖さも出たようでそのまま完成させました。
模様に関しては、とってつけたようではなく「必然の模様」でなくてはいけない、と思っています。
結構時間かかって考えましたが、これだ!というぴったりの模様ができた時は嬉しいものです。
「白鳥」らしいイメージと「神聖」そして絵の子達の「可愛らしさ」を感じる模様になったと思います。
もう一点の作品の額縁は、依頼主様のご希望の形を似たように作ることになりました。
色の参考の為に送った画像のほんの隅っこの部分に写っていた額縁が可愛い!とのことで、赤丸をつけて送ってくださって、まさかの展開でしたが、送った資料を隅々までよく見てくださっているなーと感心してしまいました♡
とても作品に似合った額縁になったと思います。
WAMでは考えないであろうデザインでしたので、 作るときにはどういう方法で進めていこうかと色々考えて完成させましたので、とってもためになりました!
最近アクリル絵具で完成させることも少なかったのですが、アクリルは樹脂系の絵具ですので異素材を混ぜたりとか結構色々に完成させることができます。
今回は下地に、古典技法の、膠に石膏を溶いて作るジェッソで何回か塗装して彫刻した硬い木のラインをぽってりと柔らかくしてからアクリル塗装をしたのですが、直接木にアクリルを塗装するよりも厚みがあり柔らかいので、ちょっと剥がしてみたり、凹ませてみたり虫食い穴開けてみたり、色々できてアンティークな感じに完成させることができました。
紆余曲折ありましたが、両方ともすごく喜んでくださって何よりでした。
「 風船 」 西田陽子 作品サイズ 217×185
ずっと額縁の写真や日記をアップしていますが、時折、息抜きページもあって良いかな〜と、庭の花が夕陽にとっても綺麗だったのでお見せしたくてアップしました。
息抜きに見てくださいね♡
昨年からのバタバタで、我が家の庭は可哀想なくらい手入れしていません。
ですが以前植えた色々な草花がちゃんと活躍してくれて、時期が来れば綺麗に咲いてくれます。
ありがたいですね。
先日終わった大型連休でしたが、家にずっといましたが1日だけ前に行きたいと思っていた八王子のガーデンの店に行ってきました。
ガーデン雑貨、アンティーク、ケーキ屋さん、そして鯉や他の観賞魚の飼育販売していて、湧き水で育てているそうです。、外観では狭く見えるのにとっても濃い店内でした。
たった1日でしたがすごく良い息抜きになりました。
休憩したお店には、湧き水がステキな瓶に入って氷で冷やして置いてあり、ご自由にお飲みください、と書いてありました。
飲んでみたら、水道水と全然違います!
スーーっと体に染み込んでいく感じがしました。
せっかくの記念にと買ってきたお花を早速植えたのですが、クンシランの前に、「サルビアカラドンナ」と背の高い「アンテリナムプリティーインピンク」
じきに忘れてしまいそうな名前です ;;;
丈夫そうなのしか買いません(笑)
数日後ふと夕方庭を見ましたら、ブルーの球根花のシラーベルビアナの青とクンシランのピンクが日陰ですごく綺麗な深い色に見え、その手前の買ってきたお花が夕陽にあたってとっても綺麗でした。
夕陽はステキな時間を作ってくれますね♡
追伸
夕陽の撮影は数日前でした。今は嫁いだ娘のお誕生日に植えた芍薬が花開いています。昨年は最高5つ咲きました。今年は花数が増えません;;;
南側は色々なピンクのオンパレードです🌸
「INDIGO」 北野さほ 作品サイズ 427×370
(正面写真はworks 漆喰額縁にアップいたしました)
「 +News 」でご紹介しました「青のコレクション展2019」
国立駅からすぐの「ギャラリー国立」での企画展のテーマです。
とっても人気のテーマで毎年恒例となっているそうですが、たしかに「青」にはたくさんの魅力を感じます。
その中でも「INDIGO」の「青」はどれだけの長いあいだ多くの人を魅了してきたでしょうか。
今回はその色をテーマにした作品の額装依頼でした。
意外でしたのは、作品が細い筆記具の筆圧で凹凸があり、それを活かすためにアクリルはいらないとのこと。
初めて作品と対面した時は凹凸があるのでアクリルと作品のあきの間隔をどうしようかと思ったので、「アクリルなし」にはとても納得しましたし、アクリルがない方がたしかに作品の魅力が伝わりそうです。
裏からの処理の必要があるかもしれないと思ったので、水性ののりの接着剤を使っても大丈夫だろうか、と調べたのが創作日記「画材」でのペンのにじみの実験のホームページでした。 1時間水に浸けても滲まないことがわかり、安心しました♡
フレームは黒漆喰とザラザラの表面をご希望でしたが、以前作った黒い漆喰は暖色の黒ですので、ほんのりインディゴ色を感じるクールにした方が作品に馴染むのではと、ほんのり青の顔料をのせて漆喰に砂を混ぜたり表面に撒いて馴染ませたりして黒漆喰の部分を完成させました。
黒漆喰と白漆喰のコラボレーションは初めてでしたし、ここまで薄い漆喰仕上げも初めてでした。
また、創作の引き出しに新たにいくつか入れることができた額装でした。
国立にはギャラリーがたくさんありますので、ついでにギャラリー巡りも楽しめますし、古書店には、さすが「国立」と思うくらい、美術書やクラシックのCDがたくさん置いてありました。
お庭も綺麗なバラの家も多く、季節も良いですのでお散歩も楽しみにぜひ、お出かけくださったら嬉しいです。
ギャラリー国立 http://www.gallery-kunitachi.com/index.html
アンティークのお店やリサイクルショップを見るのが大好きで、多分一番嬉しくワクワクしてしまう時間です。
2駅先にアンティークのお店があってたまに行ってみるのですが、以前、使えないけれど面白い時計が安くてびっくりして買ってしまったり、時折嬉しい出会いがあります。
上の写真の真鍮はアンティークではないと思いますが、「聖水入れ」とお店の方は言っていて、大好きな真鍮と「聖水入れ」という言葉にも惹かれました。
今は我が家の壁に、若い頃ギリシャ旅行の折に買ったイコン画の複製と一緒に飾っています。
また、家には数点テンペラ画の模写がありますが、テンペラ画の技法はとても古くそのため模写は昔の宗教画が多く、家にいらした方にキリスト教と思われてもおかしくはないくらい。
聖水入れの下のポット部分は、4月10日の創作日記でご紹介した白い漆喰のフラワーポットの型取りに使いました。
そして上の部分ですが、数年前の絵画教室のグループ展に額縁の技法をテーマに4点をセットにして出品し、そのひとつの「型取り」として使いました。
型取りするのはシリコンだったり、型を取った後にお湯に入れてまた使える便利なのも出ていますが、型取りをしたらそこに石膏を流し入れ、いくつか同じ形のを作り装飾に使います。
こうした「オーナメント」を額縁に貼り付けて、金箔だったり、銀箔だったり、色々な仕上げをするのですが、4つの技法のひとつとして飾るので、可愛い天使もいてお花もあるので、テンペラで着色することにしました。
後ろの額縁は土を使っています。
十字架の部分は金箔ですが、アンティーク感を出すためにピカピカにはしませんでした。もう少し光るところは光っても良いかな、と数年前の作品ですので今改めて思うところも…。
設定は、「廃墟となってしまった教会跡に落ちていた宝物」 でしょうか。
欠けてしまっていても、かえって長い歴史を感じ、また、どんな形だったんだろうかと想像することにロマンがあるのでしょうね。
こうやって書いていて改めて思いました (><)
十字架の部分、もう少し欠けちゃっててもよかったのかも ;;; と
4月16日の創作日記「チャレンジ」でご紹介させていただいた和の額縁の追記になります。
あれから追加で知人から頼まれたのが色紙への加筆でした。
知人のお母様が書かれた短歌は「母の日記」と題して 一冊の本になりました。
「母」の娘さんご夫婦とお孫さんが、ノートに書き留められた短歌を一冊の本にしようと編集を自分たちでして自費出版したのですが、ご高齢のお母様は大変大変喜ばれ、完成した本を友人知人に送りました。
突然一冊の本を送られた友人知人は、短歌を書いていることを知らなかったようで大変喜んでくださって、感動した!とたくさんお手紙をいただいたそうです。
短歌は初孫が生まれてから書き始められたそうですが、お孫さんのこと以外に3人の娘の事、そして長女だったお母様が終戦直後20歳の時、産まれたばかりの弟を含めた5人の妹弟を残し亡くなってしまった母への思いとその後の苦労のお話、その幼い弟を数ヶ月で亡くされたこと、たくさんいた友人との楽しいキラキラしたひと時、夫の看病と死、娘の病など、一冊のファイルにずっしりとした重さを感じるくらいたくさんの短歌が書かれていたそうです。
その「母の日記」を知人から貰い受けた方が趣味で書道をされていて、日記から三つの短歌を選んで短冊に書いてくださったのをお礼にいただいたとのことで、WAMに額装してほしいと頼まれました。
その後、絵を描き入れてほしいとなり、大変緊張しながら描き込んだのがブルーの短冊の絵です。
知人からは鳥の絵が良いかもしれないとのアイデアをいただきました。
飛んでいる鳥と最初思ったのですが、短歌の内容から飛んでいる鳥でなく、孫にもらった枕に寝ながら幸せを感じている情景が浮かび、おぼろ月夜の枝に止まった鳥の絵にしました。
夜露に濡れたイメージの下草も入れた方がより夜のしっとりしたイメージが出そうと入れてみました。
そのままの何もない色紙よりすごく良いととても喜んでくださって、絵は得意でなく下書きもできないので緊張のチャレンジでしたがホッといたしました♡
お母様はその自費出版後に亡くなりましたが、知人は親孝行ができて良かった!との事。今回の額装も短歌から伝わってきますお孫さんへの愛情を感じながらの創作でした。
( http://stealthswitch.blog.fc2.com/blog-entry-12.html より画像を引用させていただきました )
最近創作のパターンもこの感じが良いかも、と、だいたい決まってきました。
額縁の依頼のお話があった時、メールの作品の画像、もしくは作品が送られて来た時にすぐにだいたいのデザインや方向性を考えて提案させていただきます。
なぜなら、初めて作品と対面させていただいた時のフレッシュな印象と、期待を込めてオーダ額縁の依頼を決心されてメールや作品を送ってくださる依頼主様の気持ちが熱いうちに、色々話し合った方が良いのができる気がするのです。
作品を受け取りましても、今抱えているのが終わったら、となるとあとでもう一回作品と向き合い、気持ちをそこに持っていくことになるからフレッシュではなくなり、依頼主様にも待っていただくようになります。
何もなく待っていただくよりも、だいたい決まって完成するのを待っていただく方が楽しい時間なのではないでしょうか。
また、その間にももっと良いアイデアが出ることもあります。デザインが決まっても最後の最後まで変更可能です。
今回も作品を送っていただいてからご希望のイメージもありましたのでメールでやりとりさせていただいて、すぐに方向が決まりました。あとは完成に近い正確なラフを送らせていただくだけです。
その製作の段階で、今回の作品は少し裏側から手を加える必要を感じて、絵に支障がないように画材についてお聞きしました。
水性のペンでしたら気をつけなくてはいけないかと思ったのですが大丈夫でした。
ですが、どんな特徴のあるペンだろうか、と、ネットで調べてみましたら、面白い実験をされた方のホームページを見つけました。
「各メーカーのペンで字を書いて一時間乾燥させて、一時間水に浸けて滲み具合を比較する」という実験です。( 実際は寝てしまって一晩乾燥させてしまったそうですが(^^)
WAMが気に入って使っているボールペンもありました♡
依頼主様のは全く問題なく滲まず安心しましたが、おかげさまで面白い実験を見つけることができました。
引用させていただいた実験結果とコメントを書かれたホームページをアップしましたので、ご興味ある方はご覧になってみてくださいね!
どちらかといえば金属や漆喰などや「創作額縁」のイメージが強いのか、和の額縁の注文はなく、なかなか作る機会も持てないのですが、知人から頼まれて3点作ることになりました。そのうちの一点が今回作りました短歌の書かれた短冊三枚の額縁です。
残りはこれから作ります。
四角い白い溝は短冊の色紙の裏に貼り付けた一回り小さな厚紙がすっぽり入るようにして、位置決めに苦労しないで入れ替えも楽にできるようにしました。
「和」でも昨年は男前インテリアに似合いそうなアルミの丸窓の額縁を買って墨の絵を入れてくださった作家様もいらっしゃいましたし、金魚の絵に真鍮の額縁も似合いそうと思ったこともあるので、必ずしも「和」に「和」でなくても良いと思っています。
ですが今回はご高齢の方ですし和の額縁も作ってみたかったので、いかにも「和」のデザインにしてみました。
3枚の短冊の色紙はそれぞれ色が入っているので、わびさびを出したかったけれど難しいかなと思っていたのですが、完成してみたら派手にもならず良い感じに収まってホッといたしました。
もともと注文の額縁にも製作方法をチャレンジするところのあるWAMですが、失敗は許されないですので、アイデアの引き出しに入れておいたチャレンジによって得た発見やコツや、素材や材料の特徴のリストを裏書きにして大丈夫だと判断して製作しています。
ですが、時々は注文の額縁を作るだけでなく、うんと自由に創って失敗も含めた新しい発見もしていかなければ、と実感しました。
今回の短冊の額のフレームは、木の色そのままのウォルナットを使い、
汚れ防止のためにミツロウワックスで保護しました。
四隅に彫刻も入れ、ちょうどいい色で、わびさびの雰囲気もでた仕上がりになったと思います。
土・漆喰・膠・そのままの木の色・蜜蝋ワックス …… 優しい素材に溢れた額縁が癒しとなれば幸いです。
ドライフラワーを飾るための作品を作ってみようと思って、2014年の「土×Spirit」の二人展の時に作りましたのが上の写真の作品です。
色々な素材で自由に作るWAMの作品は、手の込んだ技法できっちり作られたり、簡単にはマネできないすごい技術で作られた額縁や工芸品とは違って、手間をかけたとしても手作り感満載で「作品」でなく「雑貨」と思われる方がいてもおかしくないと思います。
雑貨でもいい感じのがたくさん出ていて、この感じでこの価格か〜〜とステキな額縁の安い価格に虚しく思う時もありますが、そんな時は価値のある作品を作るために出来ること、WAMにしかできない事をしていかなくてはいけないな〜〜と深く深く思うのです。
昨年の個展の時に、石膏だけで作った額縁を展示しましたが、石膏でなくても良いのかも、と、たまたま通りがかりで展示を観にいらした方に言いましたら、「いえ、石膏だから良いんです!」とチカラ強く言ってくださった言葉が印象的でした。
「素材の醸し出す力」という事なのでしょう。
嬉しい言葉でした。
上の白い作品はシナベニヤに砂の混じったコンクリートを塗装して、そこに我が家にある真鍮の聖水入れのポット部分を石膏で型取りしてつけて漆喰で完成させました。小さな下の模様も石膏で型取りして貼り付けました。
そして下の作品は先程お話ししました、全て石膏でできた作品です。木を一切使わず石膏を木枠を作って型取りして作った額で、厚さは6〜8ミリくらいですがずっしりとした重みがあります。
その型取りした石膏に、土と漆喰を混ぜた自然のグレー色をのせて完成させました。
飾ったのは雑貨屋さんで安い価格で買った「マグノリア」というお花のプレート。やっぱり雑貨もステキなのがたくさんあります♡
ぴったりだと思い額装してみました。
今、気に入って家に飾っています。
どういう形や出来であっても、心が動かされる作品を作りたいとおもっています。
心動く作品とはどんなのだろうかと考えますが、自分にできることは、これで完成で良い、と思う作品を作ることだけ。
その結果、喜んでくださったら何よりです。
これで良い、と決める自分の基準を信じなければやっていけない…………
そしてその基準も更新していかなければと思っています。
そんな試行錯誤しながら、何かを感じてもらえる作品を生み出していこうと思う創作の日々です。
先日、知人に誘われて東京ステーションギャラリーにいってまいりました。
「アルヴァ・アアルト もう一つの自然」
フィンランドの建築家で、レンガやタイル、家具や照明、ガラス器などのデザインもしていて、現在公共の施設で当たり前のように使われていたりレトロなのがお好きな方の家にありそうな照明や椅子などが展示されていました。
額縁の世界に惹かれて入りましたのも、絵画よりインテリア好きだからなのかもしれません。インテリアの本は家具から飾ってあるものまで隅々まで見てしまうくらい大好きなんです。
今回の展示で目にとまったのが建築のラフデザインなどを描いた紙でした。
薄紙に描かれていたのですが、その薄紙は随分前に絵を描いていた時に使ったことがあってとっても便利で気に入っていたのですがすっかり忘れていました。
トレースをする時のトレーシングペーパーと言えば無色の透ける紙が主流ですが、どうも好きになれないのです。
描き直しもしたいし雰囲気を掴むために描きこみたいのもあり鉛筆で描いているのですが、鉛筆で描くと擦れて消えてしまったり消しゴムも使いづらく描きこみにも限界があります。
最近トレペを使う機会があり、ちょうどなくなってしまったので、買わなくてはと思いながら、トレペか〜〜……と思っていたところの今回の再会でした。
早速アマゾンで探してみました。
オストリッチの「イエロートレースペーパー」のようです。
さすが!今は便利な世の中です。翌日は手元に届きました。
残念なのはイエローと名前がついていますが、黄色すぎること、でしょうか。展示のペーパーは品のいいアイボリーでしたから。(ちなみに以前つかっていたのはオレンジでした。アイボリー探さなくては;;;)
ですが、この紙の透け感はすごく良くて、先に載せましたインテリアの本の写真も透けてはっきりと見えるのがお分かりと思います。
表面はふつうのトレペと似ているのですが、鉛筆での感触は程よくザラザラしているので強弱の線もしっかり描くことができ、結構丈夫で消しゴムを使っても破けづらいのは嬉しいことです。展示の作品も全て鉛筆でしたので、鉛筆に最適なのでしょう。
紙の厚さは1平方メートルの重さで表されますが、26g / ㎡ なので、すごく薄いけれど問題なく丈夫なのがすごいです。
「ザラザラ」が描く時に心地いいんです。
ロールの大きさが色々ありますので、選べるのも嬉しいこと。
誘われて行ってよかったーー!と思えるくらいグッドタイミングな再開でした。
まだ、デザインこれから練らなくては…………💧
2年前、たまたま横浜高島屋の催事場で「〜の職人展」だったかイベント名は思い出せないのですが、「職人」という言葉に反応して最上階まで行ってみました。
沢山の職人技の本物を感じる工芸品の一角に彫刻刀のコーナーがありました。
ずっと、ちゃんとしたのを持ちたいと思っていたのですが、数本、木の軸のは持っていて少しずつ、と思ってそのままでした。
この彫刻刀を見たとき、カッコいい!と一目惚れでした。
藤で巻かれた鉄の軸にも、木の軸にないチカラ強さを感じ、これを持っているだけでも職人になれた気分になれそう!と不純な動機も持ち、早速購入しました。
色々な額縁を作っていますが彫りのあるのはまだ多くはなく、まだまだこれから手がけていきたい分野。
彫刻刀は木を選びます。
木によっては削る方向で欠けやすいのもあり、ルーターがそんなときは欠けづらくて便利です。
ですがルーターに出来辛いことはシャープなラインを作ること。
彫刻刀の一刀彫りのような緊張感のある彫りは、よく研いである彫刻刀の真骨頂です。
彫りに関して、経験も浅くまだまだこれからのWAMですが、できない、と言って創作の幅を狭めないで、やってみる!のチャレンジを繰り返すうちにきっと少しづつ身に付いてくると思っています。
もちろん完成した額縁に関しては、これでいい、がないとお渡しするつもりはありませんので、彫りの作品は苦労すると思いますが、時間がかかってもやりきって納得してお渡しするつもりです。
彫ってみると今のでは足りないのを感じ、その後、何本か追加で木軸のを買いましたが、時間はかかりましたが藤巻のをゼロから一本作っていただきました。
今後はできれば藤巻の彫刻刀を増やして行きたいと思います。
藤の部分が数年後、もっと先には飴色に変わっていくと思うのですが、その変化も楽しみです。
大事な大好きな道具です。
河清刃物 http://kawasei.asia/
インスタグラム kawaseihamono
右は完成した額縁の写真です。
倒れないように重く重く、と、厚い集成材を使って作りました。
真っ白な漆喰に少しアイボリーにするために顔料を混ぜて色をつけました。
シンプルな真四角の額縁です。
今回の依頼主様はハッキリとしたイメージは持っておられて、それを作ってもらおう、という感じのスタートでした。
額縁に入れるのはキャビネサイズのお写真。
漆喰をご希望です。
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「 額を想定している写真は子どもの写真です。
成長とともに写真の入れ替えを想定しています。
手焼きする写真のため常に白黒写真になります。」
このご注文メールを読んであたたかい気持ちになりました。
お父さんの写された手焼きの子どもさんのお写真を、成長とともに入れ替えて楽しむための額縁……♡
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最初のご希望はオーソドックスな薄い四角い漆喰の額縁でした。
もっと幅広いフレームの方がお写真が映えそうです、とお伝えしたら、置く予定の場所が幅が広くないので2方向を広くしたらいかがでしょうか、というとっても面白いアイデアを、寸法入りのラフを添えて送ってくださいました。
そして縦と横に置き換えられるようにしたら、とのアイデアも。
思ったこともない面白い額縁でした!
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依頼主様は二方向におけるようにとの事でしたが、いっそのこと4方向を楽しめたらいいのでは、とアイデアの追加をさせていただいたり、厚さのご意見などいただき、メールのやり取りで完成した額縁です。
入れる写真によって映える置き方があると、完成してから思いました。
そして真っ白でないアイボリーの真四角の額縁はお花もグリーンもそばに置いたらとっても似合いそうな、スタートからはまったく違ったシンプルな素敵な額縁が完成しました。
結構重さがありますし少し奥深いので、普通は入れっぱなしの多いフォトフレームよりずっと取り替える頻度の高い額縁としてこれから活躍してくれそうですので、依頼主様が置いたまま簡単に入れ替えできるように工夫をしました。
幸せな額縁ですね!
2014年11月、絵画教室で知り合った友人とお互い初めての二人展をしました。
横浜の山手111番館のギャラリーは抽選会があります。私はどうしても出席できず友人が参加いたしました。
彼女は見事に一番くじを引き、11月の好きな週を選ぶことができました。
二人展のタイトルは
「土 × spirit 」- 土と漆喰による額と彩画の二人展 -
いざ友人の描いた絵に額装となったとき、どうしても普通の額縁が友人の絵に似合わない気がして、その時初めて漆喰の額縁と「 土 」という素材を使って額装を手がけてみることにしたのですが、このころは木の額縁も経験少なく未熟でしたが、さらに漆喰や土は、まったくのど素人。
いつもイメージが先にきて、さて、どう作ろうか、というパターンがよくあります。
新しいことへのチャレンジは、失敗したら、との思いもありますがどうにもやってみたくなってしまうんです。
よく言われていますが「やらないよりやった後悔」の方が、きっと何倍も清々しい。
そう思って飛び込むWAMです。
幸いに今はネットで色々な情報を手に入れることができますから、それから調べて取り寄せて、チャレンジ、の日々でした。
白いお城は漆喰そのものですが、ひび割れたほかの作品は漆喰ではなく「土 」です。
左官の本を何冊か購入しました。
そこに土壁を作る材料として載っていた生石灰。
生石灰はお菓子や乾物などの乾燥剤として一緒に袋に入っていますが、強アルカリですので園芸では寒い時期に庭の土と混ぜて殺菌、消毒に使われています。
そこでよく書かれていますのが「水に触れさせると発熱します 」との注意書き。
狭い作業部屋で生石灰は発熱…………湯気も出てきて、お菓子の袋に書いてある「発熱」の体験ができましたが、どれくらいの温度になるのか緊張した記憶があります。
その発熱した生石灰と、土を混ぜて、そこに「スサ」と呼ばれる藁や麻の細かく刻んであるのも混ぜ込んで、小さな金属のボールの中で土壁の材料を作ることができました。
土壁の配合は季節によって変える繊細な世界のようですので、もちろんプロの方たちからみたらひどいものですが、今、もう一回、と言われてもあの時と同じようにはできないであろう勢いがあったな〜〜と思う4年前 …………
土壁素材は額装にももちろん使いましたが、小さなオブジェとしていくつかの色土と混ぜて、山手の洋館のおしゃれな窓辺で暗くなってきたらライティングもして飾ってみました。
右下にすこし見える立てかけてある大きな作品は、フレーム部分は土で中の部分は漆喰の表情だけで完成させました。その大きなパネルも今は作業部屋に。
左上に少し見えるのはドライフラワーを飾れる作品。
家にある聖水入れを石膏で型取りをして、土と漆喰で作りました。
いい感じのひび割れも予想外でしたが、初チャレンジの二人展の勢いと、友人と私のスタートだったな〜と思える感慨深い作品として、今は作業部屋の壁に飾っています。
二人展の時の作品は、少しずつ創作日記でご紹介していきたいと思っています。
3月はWAMの額縁を数点使って展示してくださる作家様の個展が3カ所で開催されますが、昨日は三鷹と西荻窪に行って参りました。
初めてのギャラリーの訪問です。
どんな雰囲気のギャラリーかとても楽しみに駅から歩きましたが、途中途中足を止めたくなるお店がたくさんで、さすが西荻窪と思いながらおしゃれな雑貨のお店を曲がると、ホームページで拝見した樹木に覆われたギャラリー「寿庵」さんの丸窓が見えました。
丸窓からは作家様とお客様の姿も見えます。
樹木に囲まれ、落ち着いた木のドアのガラス越しに作家様に会釈。そしてそのドアをそっと開けて、静かにご挨拶して作品を拝見させていただきました。
入ってすぐ右手にハガキのワンちゃんの作品がかけてあり、思ったよりも大きくてインパクトがある作品でした。
あの作品の「目」はハガキで拝見した時から、心に残りましたが、なんとも寂しく奥底が揺さぶられる好きな作品です。
以前観させていただいた心が荒れた子猫の作品の目も印象的で、近づくと引っ掻かれそうなキリキリと悲しい感情を目から感じる作品でした
そして今回のワンちゃんの目は、もう心に収まってしまって表だっては落ち着きのあるように見えながら、でも、心の奥に残るなんともいえない排他的な寂しさを感じます。
明るくて元気な絵もパワーをもらえそうでいいけれど、こういった作品が家に飾ってあったら、寂しい時…悲しい時…エトセトラ…そんな感情に寄り添ってくれる優しいコーナーになりそうです。
色々な感情の目を描ける感性には羨ましくもあり心も打たれます。
残念ながら、決して体験することのできない作家様の心の奥の奥にある世界を、作品を通して外から「感じる」ことが私に唯一出来ること……
そのためには、曇りのない嘘いつわりのない心を準備しておかなくては、と思うWAMでした。
まだ会期中です。
3月10日まで開催しております。
ぜひご覧いただきたく存じます。
ギャラリー「寿庵」ホームページ http://www.iseyajuan.com/
(間違ったホームページをNewsで載せていましたので、3/7に訂正させていただきました)
この額縁は、創作日記ではチークのカンナをかけるところからご紹介させていただきました。
そして「 傷 」「 どちらがおおきいでしょうか 」
そして今回の「 外国の小さな蚤の市で見つけたアンティークの額縁」が最後のアップです。
ご依頼くださった方は、ローマの古書店で見つけて買われてきた作品を、知人のお子様のご出産の贈り物にしたいとの事でした。
そして、ご出産お祝いなら急がなくてはいけませんね、とお伝えしたら、「手作りの良さをお子さんが将来わかっていただけたら、という気持ちが強いですのでゆっくり取り組んでください」と、とってもステキなコメントをいただきました。
古典額縁が似合いそうな、いかにも ヨーロッパ な作品の額装は初めてでした。
漆喰・金属・他、色々な素材で作っていますが、この作品に関しては、いかにも、の王道で作りたいと思いました。
ご依頼主さまもそれがいいと思いますとのこと。
チーク材に決めたのは密度です。
チーク材は彫刻刀の彫り方で木目にそってはがれやすいところがありますが、木目の詰まったズッシリとした重さが長い歴史に耐えてきたアンティークの風格をあらわしてくれそう。
油分が多く含まれていることから、水やシロアリにも強く、2千年以上前から船の材料や、宮殿や寺院の豪華な建物にも使われていたそうです。
チーク好きのWAMですが、今回もぴったりな木材です!
作品は 122 × 104
額縁外寸は 300 × 230
デザインが45度カットのフレームではないので、チークの一枚板を取り寄せることにしました。
写真はカンナで削って真っ平らにしてから、細かい部分を切り出して組み合わせた状態の額縁です。
仕上がりの目標は、創作日記の題名「 外国の小さな蚤の市で見つけたアンティークの額縁」
偶然、貴重な「宝物」を見つけたような、そんな額縁。
ラフでは、作品の周囲は彫刻するデザインにしてありますので、しっかり彫刻をしてから少し削って味を出そうと時間をかけて彫刻をしました。
依頼された作品ですから、キレイにキレイに、と時間をかけて経験の浅い彫刻をがんばってしたのですが…………
残念ながら彫りが強すぎて、その部分の高さもありすぎて上の模様よりも目立ってしまう、と後悔 ;;;
実は彫刻する前に高さで迷ったのですが、削りすぎたらもう替えの木材もないのでそのまま進めてしまった場所でした。
心がざわざわザワザワ…………
気付けば、カンナをもちだしてきて、一心不乱に削りはじめ………………
結果、頑張った彫刻はかすかな凹みを残すのみ…………でも心はホッと穏やかになりました。
やってしまったかな ; ; ; とも思いましたが、ラフにある形を新たにかすかに彫り込んで、上の模様も彫刻の後ヤスリがけして磨り減ったように仕上げたらいいバランスになったので、カンナで削って正解でした。
きっちりでなく雰囲気を決めて作り始める事もあるので、途中変更もあったり決めていないところもあったりやり直したり、それで時間がかかってしまうこともたくさん。
でもいい結果になることが多いので良しとしていますが、いつか、無駄なくゴールにたどり着けることがたくさんになる事を望んではいます ;;;
額縁の周囲の線は外側を一段低くする予定で描きましたが、彫りながら路線変更。
段差つけて削り落としたら外周りのラインが弱くなってしまう気がして、周囲になだらかに下りを付けて周りを立ち上げることにしました。
ラフでは考えなかった仕上げですが、真っ平らでなく、周囲に向かって削り落としてカーブをつけたことが、木なのに柔らかさも出て、繊細さも出て、見た目で重厚すぎない程よい重さにもなり、とても満足できる仕上がりになりました。
ステイン塗装の仕上げは蜜蝋ワックスで保護しました。
最後の作業は、贈られるお子様のお名前と生年月日を裏に入れてほしいとのことでしたので、それを刻印して完成となりました。
この額縁は、ずっと心にあって作ってみたかった額縁のイメージそのものでした。
それを贈り物にしてくださるのも、なんだか嬉しい気持ちです。
お祝いに贈られましたお子様に、いつかご依頼主様の思いが伝わり、一生手元に置いて大事にしてくださったら幸いです♡
昨日は忙しい一日でした。
本当は当日配達で8時45分まで営業所に持っていく予定でしたが、結果、もう直接お渡しするしかない状況になり、細かな作業をしてから、午後に家を出てガラガラと大きなトランクを転がし、藤沢から1時間半、額縁を納品してきました。
なぜ間に合わなかったかというと、いくつかの作品の一つに、細いフレームの額縁を依頼されましたが細くて濃いブラウンの額縁に入っていたので、そのイメージに囚われて、細い額縁は経験がなくそのまま作ってみたのですが、なんだかモヤモヤモヤモヤ……
なんだかつまらない……
急遽、作り直すことにしました。
ちゃんとWAMとして考えなかった事を反省でした。細い額縁は結局、素朴な作品に似合いそうなチークをつなぎ合わせて作ったのですが、テーブルソーの横にフレームの土台を置いてサイズを合わせながら貼り付けて、久しぶりにラフな作りの額縁を作り、とっても楽しい時間でした。
きっちり作るところと、そうでないところ、やりすぎてもいやらしく、やらなさすぎてもつまらない。
いつもそこを行ったり来たりの作品作りの創作の日々です。
他にもいくつか作りましたが、三鷹の「アンダンテ」いう、コーヒー豆の焙煎販売していてコーヒーも飲めるお店で、3月に展示をされる方の額縁です。
キャラメル画という、まさに砂糖を焦がしてできた画材を使って作品を描かれている方で、すごく繊細なステキな作品です。
ほかの画材のも創作されていて色々展示されます。
下の作品は 「クレマチス」
作品は、以前ご紹介したチークのナチュラルな額縁で額装されます。
無塗装の木目と節のあるチークの額縁にとっても似合っていました。
そして、作り直した細いチークの額縁は、案内ハガキに使われた作品を入れたのですが、額縁と合わせた瞬間「わー!いい感じ!」と、思わずハイタッチ♡
作り直してよかった、と一安心でした。
3月に三鷹の「アンダンテ」で展示販売されますが、またNewsでご紹介させていただきます。
「クレマチス」 瓶 史子
額縁の大きさは一緒です。
a と b どちらのデッサンの作品が大きいでしょうか……
……
……
……
……
……
……
……
……
……
……
きっと答えは圧倒的に a ではないでしょうか。(と、願いたい;;)
知人に見せたら左側が大きいんでしょう?と言われて、やった!と思ったWAMでした。
もし、即答で「おんなじでしょう」と言われたら困ってしまう、今回の創作日記。
実は上の模様以外全ておんなじ大きさなんです。
右側の b は最終的にお客様に提案して決定したラフでした。
ですが、作り始める前にレイアウトの再確認した時、b は 下が空きすぎて上が詰まっているのが気になり、作品とその周りの彫刻部分を下に下げて、上の彫刻する模様を大きくしてみたんです。
ここいらへんかな、と下げてみた下の部分の幅は偶然、左右とおんなじでした。
すごく収まりが良くなったのでこれで作り始めようかなと思いましたが、ふと、左側の作品が大きく見えることに気付きました。
これでスタートが決定!と思いました。
なぜなら、以前絵を習っていた時に、「 良い絵は大きく見える 」と、先生が言っていたのを思い出したからです。
目の錯覚なんです。
ということは、このレイアウトは上手くいったという証拠。
b は 大人しくて奥ゆかしくて b が好みの方もいらっしゃると思います。
お客様が b が良いとおっしゃったら bを作るつもりでしたが、ご注文が「 小さくて密度の濃い額縁 」でしたので、a をお勧めしました。
そしてうまくレイアウトできたのは、もう「動かしようがない」「無駄がない」ので、きっとその分チカラ強さが出るのではないか、と思うんです。
このラフは、前回の「 傷 」「カンナ」で登場したチーク材を使った額縁のデザインです。
次回は完成までのお話しに続きます。
今までに沢山の「傷」がありました。
こう書くと心に残った傷、みたいに思えるかもしれませんね。
ましてや今は深夜2時を回った時間。感傷に耽ってしまいそうな時間ですが……
でも、この「傷」は WAMが今までに額縁につけた傷のこと。
ですが「今までに沢山の傷がありました」
という意味深な言葉は、WAMにとってやっぱり深い意味のある言葉。
額縁でついた傷は、色々な役割をしてくれます。
注文してくださる方はその傷が良い!といってくださる方が多いんです。
写真は未完成の作品。
手作りの温もりが伝わる額縁を望んでWAMにご注文いただきました。
これから少しヤスリかけて塗装仕上げです。
手作りの味わいがご希望ですが、 傷 = 手作り とはならず……ですのでどう仕上げたらいいか悩みましたが、見本でお見せした額縁をすごく良いといっていただいた事を思い出し、開けた瞬間、送られた方が、どこかで買ったアンティークかしら?と思ってもらえる額縁に仕上げることにしようと決めました。
ですので、意図的に傷をつけます。
長い間にすり減ったり、うっかり傷をつけてしまったり……を想像しながら、経年で磨り減りそうなところにヤスリをかけたり、うっかり風の傷をつけて、アンティーク風に仕上げます。
「キズ」には色々あります。
今回みたいに意思を持ってつけた「傷」
そして、うっかりつけてしまった「傷」
今回の依頼主様が、うっかりついた傷がいい感じで活かそうと思う、と「カンナ」のタイトルの創作日記でコメントした私を褒めてくださったので、「許せる傷」です、と返信したのですが、その後「許せる」は良い言葉ではないなーと思いました。
ですので「許せる傷」でなく「褒めたい傷」に訂正します、とメールで追伸しました。
「褒めたい傷」以外はいい言葉ではないと思います。
うっかりキズをつけてしまって、やり直しでとても苦労した額縁もありました。
それは、許せない「傷」……
今後も「傷」には悩むことも多い WAM でしょう。
甥っ子には二人の女の子がいます。
おっとりした長女と元気な次女。
長女のちひろちゃんはとってもいい絵を描き、よく学校でも選ばれているとの事。
3年4年5年と一枚ずつ残した絵をスマホに撮って処分するというのを聞いた姉が、気に入っている絵だから家に飾りたいとの事で額装することになりました。
5年生の時のはまだ戻ってきていないので、今回は2点額装しました。
今はスマホに記録が簡単にできるのでかさばるものは処分、という選択もありますが、こうして額装すればいつでも眺められて大事にできそうですね。
絵が大きいので、重くないポスター額にとのことで軽く仕上げましたが、ここまで軽い額装は初めてです。
2ミリのアクリルでなく、ペットボトルを再生した薄いシートを使いフレームも細くしました。
後ろもベニヤでなく、3ミリの段ボールを使っています。
杉の細い木を使い、木目の味わいと色もそのままにナチュラルに仕上げましたが、2枚、いずれ3枚並んでも圧迫感なく暖かなイメージになれば良いかと思います。
色も綺麗だしわたしには描けない指の形、後ろ姿のクラスメートもなんとも言えない味があり、製作中も、完成して姉の家の壁に飾ったのを見ても、良い絵だな〜〜としみじみ感じます。
今6年生ですが、中学校に行ったらテニス部か吹奏楽部に入りたいとの事。
これから楽しい学校生活送ってね(^^)!
前回、楽譜の写真をご紹介させていただきましたが、先日無事納品させていただくことができました。
楽譜のサイズは 280 × 370 ㎜
額縁の外寸は 546 × 432 ㎜ 結構大きい額縁です。
「チリのアンティークの楽譜」の額縁は、ご注文者様がはっきりとしたイメージがおありになって、お聞きした時にぴったりだと思いましたのでそのまま作らせていただきましたが、WAMの「Works」より選んでくださったデザインを黒漆喰に変えて作っていただきたいとのこと。
楽譜が強くインパクトがあり、黒い色がしっかりしていますので、黒漆喰でも負けないと思いました。
ですが、なるたけ厚みを少なくして重くないように気をつけることと
アンティークらしいシワや揺らいだ味をそのまま活かすため、楽譜を浮かせて額装しました。
楽譜のコピーを置いて、フレームのバランスを目で見て決めます。
黒い紙の上でフレームの外寸法を決める白い紙を動かして全体のバランスを決めることにしました。
普通、額縁は天地と左右を同じ幅のフレームを45度にカットしてできるのですが、時折、天地と左右の幅が同じことに違和感を覚えることがあり、変えることがあります。
以前、アルミで作りましたのは ( 9月の創作日記「モノクロームの世界展」の北野様の額縁 ) 横長の額装でしたが、左右のフレームの幅を広くした方が心地よい気がして変えてみましたが、今回は天地を幅広くした方が黒の配分がちょうどよい気がしたのです。
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左側は45度カットの天地左右が同じ幅のフレーム。一般はこれが主流です。
右側は天地を少し幅広く変更。
左はなんだか甘すぎるのと、黒が重い気がしました。
天地の幅を少し広く変えてみたらちょっとキリリとして、見ていて飽きない感じがしたのでこの幅で作らせて頂くことにしました。
以前のアルミの額縁は左右広くしたい、今回は天地広くしたい、と感じるイメージについて考えてみましたが、絵が持っている流れの方向を強調したいのかもしれません。
また、「楽譜」から「神聖」なイメージも感じます。
教会とか十字架とか、神殿のイメージは縦長を連想させるので、天地を強調した縦長が「楽譜」の世界とマッチして心地よかったのかもしれません。
漆喰のコテ跡も残してあります。
汚れ防止のために仕上げには自然素材のミツロウワックスを使っていますので、優しいツヤがあります。
依頼主様の家での心地よいコーナーになりますように……
早いもので1月も終わりです。
1月最後の創作日記になります。
先日始めて「モノタロウ」で買い物をしました。木ネジ、ヤスリ、アルミプレートなどなど。
個人事業主で登録をしたのですが、後日、厚いカタログが2冊届きました。
思わず、「嬉しい〜〜!」と言っていた私でした。
会社名で登録したからでしょうか。プロ仕様の品物がたくさん載っていて、何に使うのだろうかとか、何か使えるのはないかとか思いながら分厚いカタログのページをめくります。
家には大きなマキタの大きなテーブルソーと、プロクソンの小さなテーブルソーとミニルーター、丸ノコ、電動の糸鋸、ジグソー、サンダー、ドリル2本、ほか、電動工具が色々ありますが、あっちこっち動き回って使い分けしています。
危険ですがなくてはならない物たち。
「DIY女子」という言葉もあるくらい、物作りの好きな女性はたくさんいるようですね(^^)
我が家も色々といじっていて、クローゼットの扉を外したくても金具が取れず、お問い合わせして外し方聞いても分からず、結果、ジグソーで扉を切って外したこともあります。
家をめちゃくちゃにするな!と怒られましたが(^。^)💦
猫の出入り口作るのに扉の下に穴を開けたりもしました。
快適に暮らすのに、こぎれいに我慢して暮らすよりもやれることはやってみたくなります。
クローゼットの扉を外したのは寝室に小さな書斎を作りたかったからですが、外したその日の夜、たまたまドクターコパさんが「真西の書斎は仕事運が落ちる」ということをTVで言っているのを聞き大ショック!
なぜならそこは真西だったからです。
どうしようもないことは気にしないですが、できることはしないでおきたい「風水」。
ましてや旦那様の仕事運は重要ですから。
後日、ネットで探して鎌倉のお店まで見に行きクローゼットの扉を購入して、自分で取り付けをしました。
良かったことは合板だったクローゼットの扉が、安い価格で本物の木の扉になった事。
しっかりとしたブランドの合板より、本物の木の方が安い現実………。
寝室ですので、木の扉はホッとして和むことができて、これはこれで良かったんだと思っています。
タイトルに「 カンナ 」 と入れたときに、女の子の名前みたいだなーと思いました。
実は工具の「カンナ」
こんなに可愛い名前とは今まで思いもしませんでした。
思い込みや持っているイメージを時折見直してみたら、もっとたくさん面白い発見があるかもしれませんね♡
写真はチークの大きめの一枚板。
サイズが大きいので材木屋さんで取り寄せとなり、昨日やっと手元に届きました。
表面が荒れているので、最初は電動のサンダーかけてみましたがなかなか綺麗にならず、ふと、カンナの方が早いかもしれないと思い立ち、カンナがけをしてみたらやはりサンダーより早くて、おまけに真っ平らでないぬくもりのあるいい感じの表面になりそうです。( 下手ゆえに^^;)
予想もしていなかったので嬉しい誤算!
今回の依頼主様は、手作りの温もりが伝わる仕上げがご希望との事ですので、このカンナの味わいが活かされる仕上げができたら、と、思います。
今年初の創作日記(^^)
また色々楽しくアップできたらと思います。よろしくお願いいたします。
今回は、昨年チークの額縁をご注文下さった方からのご依頼でした。
アンティークが大好きとのことで、ガーデンもとっても素敵!というのをご友人からお聞きしています。
ずっと家にあったアンティークの楽譜を額装してほしいとのこと。
「アンティークの楽譜」と聞くだけで、そそられる私ですが、早速送ってくださって開ける時もワクワクでした。
このお仕事ですので、皆さま大事な作品やお品物を私の元に送ってくださいますが、開けて作品と対面できる瞬間も楽しい時間です。
開けた瞬間から、どんな額装がいいのか、と思考や感覚がスタート。
早速開けて対面しましたが、私が「楽譜」で想像していました以上にしっかりとした強い個性のあるアンティーク感満載の素敵な楽譜でした!
額装もやりがいがありそうです。
メールでやりとりさせていただいて、デザインも決まりましたのであとは作るだけ。
とても楽しみにしてくださっています。
このチリから来た「アンティークの楽譜」を手に入れられたのは35年前のことだそうです。
60年くらい前にチリに在住されていた叔母さまがチリで買われた楽譜だそうで、日本に帰り吉祥寺で喫茶店を開き、そこで飾っていたのを気に入っていただいたとの事。
ずっとご自宅で飾られていたそうですが、今回額縁をあらたに依頼してくださいました。
ご依頼主さまが楽しんでくださって、いらしたお客様にも素敵な楽譜!と思ってもらえるような額装をさせていただくように頑張ります。
今、一点製作中です。
やり直しばかりで時間かかっていますが、修行のように作っています。
一瞬の気の緩みで失敗してしまうから。
でも、作り直すたびに発見があるんです。
いま、すごく良い体験しているな〜と作りながら思っています。
年内に終わらないと気持ちよく新年を迎えられないので、年末の今ですが丸ノコの音を響かせて没頭中。
このホームページへの書き込みはいい気分転換になっています。
旦那さまがよく中国茶をいただいてきますが、なかなか飲まなくて、あるとき、コーナー作ってすぐ飲めるようにすれば良いかも、と、作った 「 飲茶コーナー 」
以前いただいて可愛くて飾っていた赤いお茶の缶に、ちゃんと中にお茶入れてテーブルサイドに置く事にしました。
烏龍茶 鉄観音 緑茶 白茶 ジャスミン茶 普洱茶 ライチ茶
そのままでは缶もバラバラで見た目まとまりもないので、長〜〜いお盆を作ってそこにお茶の缶とか茶器や、茶こぼしも一緒におけるようにしましたら、お掃除もしやすくて、お茶も毎日飲むように。
今年3月くらいに作ったコーナーでしたが、6月の検診で旦那さまは体重も減って数値も良くなり、中国茶の恩恵かと思っています。
あと少しで今年も終わりですね
クリスマスツリーの上に飾られているお星様🌟
『この星は、キリストの誕生の時に、星空に現れたと言われている「ベツレヘムの星」をあらわしているそうです。
これは東方の博士(賢者)たちを幼子イエスへと導いた星。
博士たちは、東方で不思議な星をみて、それが主の到来を告げるものであるということを悟りました。
そして彼らはこの星に導かれ、遠くユダヤの地 (現在のイスラエル) にある
ベツレヘムという町にいた
幼子イエスとその両親の元へとたどり着くことができました。』
と、ネットで書いてありました。
娘家族にクリスマスに何か手作りのプレゼント、と考えて、単純に星のオーナメントを作ろうと調べましたら、ツリーのてっぺんにあるお星様の意味が書いてあり、お守りになるとの事。
「星」は直径12cmくらいあって結構大きく作りました。
それともう一個の小さめの星。
とても喜んでくれました。
クリスマスツリーの星の意味、全然考えた事なく、意味があるから使っているのに、おしゃれ!可愛い!で終わっている事たくさんあると気付かせてくれました。
忙しくて無理かな〜と思いましたが、荷物開けた時喜んでもらえたら、と、翌日配達受付の5時ギリギリに完成。
写真撮る時間もなく、娘にお願いしましたら素敵に撮ってくれて
おかげさまでこうしてクリスマスイブにアップする事出来ました。
お守りとして守ってくれたら何よりです。
そして7月の個展の時、お婿さんが真っ先に駆け寄って気に入ってくれましたアルミの額縁。
遠方から来てくれたお礼に終わってすぐにプレゼントしたのですが
古民家再生した家のダイニングルームの一部に使われている、木毛 (もくもう) セメント板にとても似合っていて、気に入って大事にしてくれています。
木毛セメント板は、漆喰壁に描くフレスコ画の下地に最近は使われる事があると、以前テンペラ画の画家さんにお聞きした事があります。
残念ながら、今はほとんど作られていない土壁の下地に使われる藁や竹のように、隙間があるので漆喰が剥がれずらくなるのです。
オマケに軽くて丈夫で持ち運びに便利で、漆喰壁に描く作品にはぴったり!
普段目にしている建材の意外な使い方です。
この古民家再生した 建築士事務所 「L・P・D」のホームページです。
ぜひのぞいてみてくださいませ。
シンとした静かな作業部屋でふと後ろをふりかえった時、北側の窓辺の天使の羽だけに光があたっていて、ハッとしました。
南側の高い小さな窓から差し込んだ
夕方の暖かいやわらかな日差し……
まだちゃんとスタートもしていない時、手作りしたい気持ちだけはありましたので、レンタルの棚をお借りして販売するために作った「天使」でした。
そこではアクセサリーの販売が多かったので、イヤリングやネックレスをかけられるグッズにしました。
結局は売れず、我が家の窓辺でわらの入った漆喰のトルソーと並んで私の作業を後ろから見守ってくれています。
今少し大変な作業しているのですが、応援してくれている気がして
あたたかい気持ちになれました。
上の写真はご依頼いただく前の、額装された作品を飾ったコーナーを撮ったお写真です。
作品は函館に旅行された時に買われたA4サイズの風景画。
お受けした時点ではクリーム色の細いフレームの額縁に入っていて、後ろには買われた時の日にちとサインが書き込まれていました。
大事な記念の作品。
壁の右側には小さな金属のドレッシーな額縁が飾ってあり、クリーム色よりアルミの額が似合うのではとの事。
ご相談いただいたのは丸頭の釘がフレームの端に打ち込んであるアルミの額縁でした。
たしかに金属の額縁が似合いそうです。
お伝えいただいたアルミも検討致しましたが、右側の繊細なフレームとのバランスを考えた時、小さな丸頭釘が並ぶ男前インテリアに似合いそうなデザインとアルミのひかり加減が強すぎる気がしました。
そこで、ハンダで加工したいくつかのフレームを重ねて大きめの丸頭釘をうるさくない程度にアクセントにしたら、ハンダの表面の揺らぎと合わさってほどよいハードさになるのでは、と作ってみました。
変色加工も考えましたが、そのままが良い気がして何もしないで送らせていただきました。
もちろん、思い出の日にちとサインの入った裏板もそのまま変えずに。
薄い板にハンダ加工した3枚のフレームを重ねて、接着材を使って接着したのと、さらに飾りにした丸頭の木ネジでもしっかりと止めました。 ギュッ!と締めることにより、オモテ面の細いフレームに盛り上がりができ、サイドは金属加工された3枚の重なりに締め付けたところと隙間が空いたところの強弱ができて、まっすぐよりも良いアクセントになった気がします。
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金属にもとっても興味あって、鉄は素敵ですが、重いのと作業を家でするには相当のパワーが必要かと今は断念。
塗料でそれらしく仕上げるとか、ほかの金属でチャレンジしています。
わたしは色々な素材を使うので、知識はネット検索して参考にしながら、自己流が大半ですので、あれとこれはどうやったらいいんだろうとか分からない事がたくさん。
いずれそういう教室にも参加したいと思っています。
写真は真鍮のトレー。
いつどこで作られたかわかりませんが、いつかこんなのも作れたらいいなと思って、 とても安かったので買ってしまいました。
時が経っていい感じに黒ずんでいます。
早速試してみましたが真鍮同士、ハンダ試してもくっつかず断念していましたが、たまたま金属加工のところとご縁あってちょっと聞いてみました。
やはり真鍮はハンダは付くとの事。
付かなかったのは汚れをちゃんととっていなかったからのようで、「フラックス」というハンダの材料が金属の汚れを綺麗にしてハンダ付けしやすくするのですが、もっと強力なのがいまあるから、色が変わるけど試していいかとの事。
教えてもらえるのが嬉しくて、早速試してもらいました。
バケツに入った液体に、真鍮のトレーの端っこをつけたらすぐに金ピカの元の色に!
その後はまだ真鍮のハンダ付けは試していませんが、今も一部、キラキラしています。
ご縁あった記念のピカピカです。