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〈星が溶けてなくなる夜に〉二人展作品
title 「銀色サーカス」
H242 × W194 × D57
「気難しい少年は、本やトランプのひとり遊びが大好きで、サーカスの片隅で、キツネとひっそり暮らしています。サーカスの華やかなざわめきから遠い、テントの片隅で」
marie.gallery より
夢のような楽しい響きと同時に根無し草のような寂しさも感じる「サーカス」という世界……
そこで暮らす少年とキツネの、星空の下のテントの中で過ごす静かな夜を感じることができる作品です。
この額縁は絶対売れないだろうなぁ〜と制作しながら思い、違うデザインにした方が良いのかな〜と迷いつつ…
でももし買ってくださる方がいなくても、一点だけ遊び心のある額縁を展示すれば楽しんでいただけるかな♡との結論になり完成させた立体の額縁です。
けれど予想に反して、二人展で真っ先に赤いシールが貼られたコラボ作品となりました。
とてもびっくりしました。
「銀色サーカス」にはストライプのテントの屋根が描かれていて強さのある作品だったので、強いデザインの額装でも負けないだろうと思いました。
また、作品のイメージから奥行きのある額縁にして後ろを暗い色にして 覗き込むような額装をイメージしました。
制作しながら上に小さなライトを入れて作品を照らしたらもっと世界観が強まるかもと思いましたが、アクリルと絵の隙間が無さすぎて却下でした。
いつかそんな作品も作ってみたいと思います。
濃茶色のアクリルガッシュに日本画用に売られている土を混ぜたのを一番最初に塗装しました。
厚みを出しエッジを柔らかなラインにするためでした。
最終段階でヤスリをかけた時に微妙な凹凸が出て味わいのある塗装になったと思います。
この作品だからできた額縁です。
タイトルは 「立体のストーリーのある額縁」
二人展で唯一ストーリーのある額縁となりました。
上の額縁は白土そのままの色です
何度もペンキを塗ってボコボコの、古い団地のペンキのような味わいを残したくて
最初の計画の仕上げを変更しました。
35点の作品の中でも作品にピッタリにできたお気に入りになりました
marie様の作品は、会場でぜひ楽しんでいただけたら と思います
今日から展示のスタートです!
昨年お話しいただき少しづつ準備してきました
たくさんの方々にいらして観ていただけますように♡
★作家様 Instagram
★2人展告知
https://picaresquejpn.com/marie_wam-frame-infinity_exhibition_2023/
★アートギャラリーピカレスク ホームページ
marie・WAM FRAME INFINITY
2人展
『星が溶けてなくなる夜に』
2023.10.18(水)〜11.5(日)
毎週水曜日〜金曜日・土日祝 : 11時~18時
下記日程で夜営業もあります : 18時〜22時
10月18日 水曜日
10月23日 月曜日
10月25日 水曜日
10月30日 月曜日
11月01日 水曜日
《 作家在廊日時 》
marie : 10月21日(土) 11時~18時
10月22日(日) 11時~18時
WAM FRAME INFINITY : 10月21日(土) 11時~17時
《 会場 》
Picaresque Art Gallery
東京都渋谷区代々木4-54-7
昨年春から制作スタートしました。
作品が先のコラボ額縁は
一点一点作家様の作品と向き合い
その魅力をいかにさらに際立たせるかを考え
額縁が先のコラボ作品は
作家様の新たな境地を引き出せたら
との願いを込めて
制作しました
作家様の淡い色合い
WAMの風合いは
ぜひ直に観ていただきたいと思います
ギャラリーに来ていただけましたら幸いです
https://picaresquejpn.com/marie_wam-frame-infinity_exhibition_2023/
WAMの額縁は15点でしたが、制作させていただいた額縁の全てにWAMのQRコードの入った名刺を作品側に貼っていただいていました。
市販にはない味わいをとても気に入ってくださって、長いあいだ創作活動されている作家様からのあたたかなご感想はとても嬉しかったです。
今回は全て作家様の詳細な図面をもとに制作させていただきました。
細かなアドバイスはさせていただきましたが、色見本でミルキーホワイトも刃先のブルーも作家様が決めました。
こんなのがほしいという思いを実現させていただくのもいい仕事だと思います。
制作点数が多かったので入江カラーと名付けた色も1000ml作りました。
「サインも額も絵のうち 捨てた絵の具も画料のうち」
には嬉しくもありましたが笑ってしまいました。
色々あり忙殺で個展まで15点間に合うかの瀬戸際での制作でしたが
「静かに待ちます」とのメールをいただき
まだまだ未熟なWAMを信じて待ってくださるお気持ちには励まされました。
搬入の2日前になんとか納品できてとてもとてもホッとしました。
ありがとうございました♡
ジェッソ仕上げでしたが、漆喰?と思われる仕上げになりました。
ぜひ足を運ばれて
入江様の作品をゆっくり鑑賞していただけましたら幸いです。
秋の展示に向けて作ったツガの木を使った額縁は、木の節を選んで入れました。
WAMの好んで選ぶテーマは「経年劣化」
古びてキズのついた額縁は、人から人へと長い間「旅」をしてきたと想像できます。
自然界に存在するものは長い時間そのままではなく、少しづつ朽ちていくのがこの地球という星にある物の運命です。
「酸化」「風雨」…
年月が過ぎていって、いつかなくなってしまうかもしれないけれど
その途中の景色は、生まれたてでは味わうことのできない深い味わいが魅力となって人の心を動かします。
どんなふうに朽ちていくか想像しながら、新しい額縁にその「味わい」の魅力を加えるのが大好き♡
節は硬くて周りの柔らかなところから風化していくと想像して削っていく…
人の手を渡り歩くうちに、うっかりぶつけてついた傷跡や虫食いの跡を想像して傷をつける…
私の好きな画家、有元利夫さんは「虫の気持ちになって虫食いの跡をつける」と画集に書いてありました。
仕上げはツガの白木の風合いを残しておきたくて、木に馴染みやすい水性ステインではなく染み込みにくい油性ステインを使いました。
全体には浅く、節周りや付けた傷や柔らかいところには見事にしっかり染み込んでくれて、さらに木の風合いを強調してくれました。
上は生まれてのツガの木の額縁です。
手を加えたオイルステインの額縁に、額縁が旅してきた「歴史」をリアルに感じていただけたら嬉しいな♡